日々ストーリー

Contents

tvstar/1999/06/23/Boy Girl/Female/Fluid
テヴェスター
色々な所に居ます。

Null Fc Verse

すべてを包囲する次元、遠い世。この次元には、様々な宇宙が存在して、
閉じている空間と開けている空間がある。
この世で繰り返された次元の創生と破滅は、
何世紀にも及び、時を刻む。
この次元は「人間」により開かれて、
「目」が開く事により現実が成り立って、
それが真実である限り、存在し続ける。

Main Character.
置かれる役者、主人公。
この世界を案内する物語の進行役であり、
表現の司会者でもある。


忘れ去られた死後。

そそぐ葉の下で眠っている。

死から起き上がる。


自分を確認する。

自分は違う存在になっている。

世界を確認する。

世界はこの世に似たような所。

過去を思い出す。

過去は遠い記憶の中。


不思議な世界を彷徨う。

東急電鉄8500系、ハチゴーがやってくる。

電車に目的なく乗る。


電車の隣の席に乗客がいる。

お互い心を交わす。

電車はどこまでも行く。

星空の宇宙空間に出る。

窓の外から景色を見渡す。

果てしない世界を噛み締める。


乗務員が来る。

ハチゴーの電車カードを見せる。

喜んで操縦席へ連れていかれる。

前面の窓から景色を見渡す。


電車は目的地へ着く。

電車を降りる。

不思議な世界を彷徨う。

視覚室に出会う。


視覚検査を受ける。

良い結果が出る。

良い忠告をされる。

資格を取る。

服装を着替える。

準備ができる。


世界の終わりが近づく。

ビックバイパーに乗り込む。

空高く飛行を始める。


過去のレジェンドが祀られている。

ビックバイパーと同調する。

どこまでも、果てしなく飛び続ける。


人生よ、永遠にある。

世界よ、果てしなく続く。

世は、限りなく。

Contents

Anims.
生き返りと始まり。
次元ストーリー。

始まりの妄想

気づき……

アイエムは目覚める。

産の顔に最初に触れ気づいたのは、みずみずしい葉。

葉の下で眠っていた様だ。

起き上がる。

…「あ。」

どこまでも続く、草草。

暗い影と、明るい緑色が開いた口に射し込んでくる。

……

目の前の事を頬張って。

歩こう。

****
布一枚姿のアイエム。

未知の素足を一歩一歩、確実に掻き分けてゆく。

緑と、線路の見えるところ。

出口は、遠くて、近い。

…この森は、比較的暗い。

きっと、この外も暗い世界なのであろう。

葉を掻き分けたこと数何十歩。

星が輝く、夜空の砂漠へと到達した。

線路は示唆を続けて、オーロラが出迎えてくれた。

…「あ。」

****
まず、近い岩にスサッと姿をくらます。

大きな、岩石。

アイエム。

横顔を突き出して、見る。

サボテンの数々と、光り続けるオーロラ。



とりあえず、確認した。

ここには、「自分」しか居ない。

…歩こう。

****
砂漠の清々しい砂が足を躍らせる。

線路を側に、歩く。

サボテンも、後を付くように。

…「あ。 え。」

音に気付いたアイエム。

線路から離れる。

走る、電車。

赤帯の、特定。

どこか、懐かしい。

…他の存在?

電車は止まる事無く、後を去る。

気になる?

後を付こう。

****
ステップ、ステップ。

先を急ぐかの様に、砂を弾く。

…「あ。」

見えてくる、乗り場。

急ぎ足を確実に、地面に下ろす。

丁度、止まっている電車に見合う高さ。



上がっていく。

乗ろう。

****
ドアが開く。

車内は、明るい。

座ると、閉めてから発進。

……

丁寧に重なる、手と姿勢。

横側。

誰かが一緒。

横側。

見てる。

二人、顔合わせ。

…「え。」

バティサス。

二人、気合わせ。



気が合う様だ。

****
暗い運転室。

ハンドルから手を離す、運転士。

席を立つと、車内を歩く。



…「あ。」

二人で、窓を見る。

…「あ。 あ。」

目の前に気づくと、運転士。

「チケットは持ってるかい。」

……

…「え。」

おどおど。

バティサスが、見せるのは、赤い紙。

それを確認して納得いく。

「ちょっと、来てくれるかな。」

連れて行かれるアイエム。

…「え。 あ。」

****
辿り着いた運転室。

制御を再開する。

…「あ。」

綺麗な夜空の風景。

ここは、一番見栄えがいい。

走り続けるノスタルジー。

警笛を、一つ。

線路は、どこまでも。

星が光る。

…彼方?

****
席に戻ると、バティサスは居ない。

…「あ。」

そのうち電車は、止まる。

辿り着いた、果てしない目的地。

ドアが開く。



降りよう。

階段を、一つひと段。

電車に、さようなら。

暗くて濃い青の空に、立ち込める霧が激しい。

ビル群が立ち並ぶ。

…「あ。」

閑散とした道路を、産の素足で制覇する。

来る者を受け付ける、一室。

…「あ。 え。」

覗くと、狭い。



入ろう。

****
「こんにちは。」

…「あ。」

狭い資料の集まった視覚室の奥に座る、白衣の中年くらいのおじさん。

「ここに座ればいいよ。」

向かい合わせの、黒いスツール。

指示通りに従う、アイエム。

「じゃあ、ちょっとテストを受けようか。」

…「あ。」

目に当てられる、ビューワー。

見る。

色々映り過ぎていく。

「もう少し。」

シャシャシャ。

「うん、もういいよ。 こっち見て。」

…「え。」

顔の位置は、戻った。

****
結果。

「君ね。 視力がとても良い。」

「力があるよ。 でも、まず着替えようか。」

…「あ。 あ。」

貰った、服装の一式。

「隣のドアが着替え室だよ。 焦らずに、待ってるよ。」



着替え室に、入室。

服装の一式を確認したら。

今まで纏っていた、布を巻き下ろす。

鏡に映るのは、綺麗な肌色。

ささっと、履いたパンツ、ソックスとブラジャー。

少し、最近の人間の感じになる。

ズボンとタンクトップも、着る。

もうそこら辺の、女性みたいだ。

お決まりに、黒い靴と、白いグローブに、黒と青のジャンパーを着れば...

気分は、パイロット。

****
…「あ。」

着替え室を、退室。

「良いね。 座って。」

着席。

「君ね、操縦が一番得意そうだから。 それを目指すと良いよ。」

…「あ。」

「一定の場所に行けば、みんなそこで待機してるよ。 君の事は、伝えてあるから。」

「じゃあね。 以上です。」



ありがとう。

一室を後にする。

霧のビル群を、また歩く。

確実な、一歩の足で。

****
…「あ。」

近寄ってくる、棒マイクを持って、青スーツと星ピンの、おおらかな、男。

少し機械的な匂いもする。

「なあ。 びっくりするなよ。」

…「え。」

「なになに? “あなたは誰?”って。」

「俺はエイムだ! AI.M.と書く。 この俺が君の会話の司会を務める事になった。」

「さあ! 行くが良い、アイエム! 君の目的地は決まっている。」

…「あ。 え。」

「“どこに行けば良いの? 分からない”って。」

「そりゃあ、また電車に乗って、操縦の出来る所さ! 待機センターだ!」

…「え。 あ。」

「“ちょっと、しつこいな”? この俺に、何様で...」

エイムが、アイエムの背中を包囲した上、腕と手を開いて。

「俺たちは、良い相棒になるさ、なあ?」

「これからが始まりだ!」

……「」

勝手に解釈まで入れば、事に何も言うことがない。

ただ、しつこいのは確か。

****
とりあえず、二人で歩く。

乗り場の所までナビゲートして、来るべき電車を待つ。

「ああ、電車はすぐにでも来るさ。 環状運転だからな!」

…「あ。」

「“あなた、本当に誰? 知らないんだけど”?」

「ああ、気にするな。 俺は、君の会話を訳すためにいる、ただの人間アンドロイドだ!」

…「あ。 え。」

「“誰が作ったの? 変な奴”... 揶揄もいい加減にしろよ、なあ! それは秘密だ。 ただ一つ、俺の技術は素晴らしい!」

「君の、産のポツポツした会話よりは優れてると思うぞ。 それにしては、布一枚だと思ってたのがフル装備だ!」

…「あ。」

「“さっき、テストを受けて、着替えてきた”? そうだろうな。 君の可能性はそれくらいに、永遠だ!」

「あ、いや。 別に君の事を過大評価する訳ではない。 君はまだ、生き返ったばかりの産だ!」

…「あ。 あ。」

警笛。

電車が来た。

「さあ! 乗るがいい! どこまでも行くのだ、アイエム!」

「ああ、俺も付いて行くがな!」

****
電車は、一通り走って、目的地に着いた。

この間、バティサスは一度も姿を現さなかった。

電車を降りると、忙しい待機センターに辿り着く。

「さあやって参りました! “待機センター!”」

…「あ。」

「”何をするの? 分からない“って。 分かるだろう! あのエアークラフトに乗るのだ!」

アークバイパー。

二人の目の前に、そびえる戦闘機。

スタッフも、待ちわびていたかの様に、誘導してくれる。

「ああ、とりあえず、最後に一つ。 俺はこの先、付いていけない。」

…「あ。」

「”いや、しつこいからいいよ“、て。 俺が居ないと、君は話せないだろう! まあいい、それで何とかなってるみだいだからな!」

体を少し前に倒して、手を背に添えた上、もう片手をフイフイ振るエイム。

「じゃあ、行ってら!」

……

****
段を上がる上がるアイエム。

それで、コクピットに着席した。

メンテナンスの後、準備ができる。

「発進準備。」

スタッフの合図で、気を引き締める。

目を瞑る。

集中。

前を向くと、目が青白く光って。

さあ、行くんだ。

****
飛行する、アイエムとアークバイパー。

上手く操縦できている。

高度は上がって、夜空は近寄って、もう空を制覇した。

見下ろすと、様々な風景。

森、砂漠、ビル群、センター。

様々な、思い出や出会いが、見える。

前を見ると、彼方の星星が光る。

目指すのは、そこだ。

****

人生よ、永遠にある。

世界よ、果てしなく続く。

世は、限りなく。



気持ちの妄想

気づき……

アイエムは、無事帰還した。

…「あ。 え。」

待機センターで、スタッフと共に、少し場を借りる。

アイエムには、帰る「居所」など無かったのだ。

そこへ、とっと現れた...

「俺の事、忘れてないよな?」

…「あ。」

体を少し前に倒して、アイエムを覗き込む、見慣れた青スーツと黄色の星ピン。

自らの顔に人差し指。

「“知らないよ”って。 明らかに忘れているだろう! この俺様、エイムを!」

「君の居所はもう確保された。 俺に付くのがいい!」

…「え。」

「“あっち行って”? 何が何でも付いてくるのだ、!」

「あっ。 あ。」

腕を強引に引っ張られる。

この度は、目的がある様だ。

****
…「あ。 え。」

「ここなら、俺達は自由だ。」

見慣れない、施設の一角。

「分かるだろう。 俺は君の監視役だ! 君の全ては、既に見通している。」

…「え。 あ。」

「“ウザイ”? そりゃあそうだな。 俺は...」

「俺は... おれ...」

…「あ。」

「ううう。 何なんだ、この感情は!」

「いや、好きだ!」

「いや、誰がその様な事を言ったのか?!」

…「あっ。 あ。 え。」

「ほほう... どうやら困っている様だね?」

「やはり生き返りの産とは、純粋で可能性の秘めた夢ある者だ!」

「あいや、別に君をあやかしている訳では無い。 俺は単純に...」

「俺は...」

…「あ。」

****
エイムは、アイエムに抱いた。

計算外で、上手く表現できない。

「ぐぐぐ。 俺はアイエムに付いて行く事で彼女の安全と可能性を見出す、人間アンドロイドだ、バティサスにより開発された、今一番の技術を計算中...」

…「!」

…「あ?」

バティサスが?



見守られてるんだ。

…「あ。 え。」

「」

気づけば、エイムは機能不全に至っていた。

体を前に倒して、腕も垂れていて、何者でもなくなった。

…「あ。」

それを助けるアイエム。

****
スタッフが見つけたアイエムは、エイムを後ろから抱いて、包囲していた。

「大丈夫か?」

…「あ。 あ。」

「...そうか。 ここへは、いつでも来るんだぞ。」

「ああ。 待ってるからな。」

「あなたの立派な一員です! では、またの機会に。」

スタッフに挨拶を交わした後、エイムの修理を探す為に、一人で道路へ飛び出る。

比較的忙しい、ビル群。

窓の電灯に、クリスマスの様な電飾の風景。

それでも、道路や道だけは閑散としていた。



****
歩く。

歩く。

歩き歩き...?

者。

顔を、合わせる。

者。

顔を、合わせる。

バティサス。

…「あ。 あっ。」

バティサスは、アイエムが担ぐエイムを見て、嬉しそうだ。

二人、気が合う。



ありがとう。

…「あ、え。」



そうして、バティサスは彼女を「居所」へと受け入れた。

****
…「あ。 あ?」

ここは、私の「居所」。

周りの機械には、触れないでね。

私は機械技師として、この世界を動かすの。

…「あ。 え。」

エイムの技術も、「世界技術」の一つよ。

この技術は、心の力で動くの。

愛する者、守りたい者、目指すもの、夢見るもの...

全ては、気持ちよ。

…「あ。」

****

ごめんね、彼はどうしようもないみたいで。

でも、きっとあなたの事が好きなんだよ。

私の、あなたへの強い親近感と同じくね。

…「あ。 え。 え。」

きっと、私たちは運命なんだよ。

どこかで、出会ったのかもしれないね...

なんてね。

…「」



懐かしい。 暖かい。

その気持ちこそが、アイエムにとって、ノスタルジーだった。



…「あ。」

さあ。 彼の修理を終えたよ。

二人で、正直に和解しなさい。

正直な気持ちを伝えるの。

心の中心から、繋がっている所から。

****
「...ふうう、長い眠りであったのだ、俺は...」

「は! バティサス... アイエムもここに?」

そう。

私が受け入れたの。

「なんて事だ! 俺達の陰謀は破られた!」

いや、これは私の気持ちよ、エイム。

あなたも正直になりなさい。

「...ええ?」

見つめるアイエム。

…「あ。」

…「あえ。 あ。」

「お?! ”好きだよ“って、ほほう! なんて清々しいのだ!」

「俺は、君の事が...」

ニヤリ。

「嫌いだ。」

こら。

冗談は、ダメよ。

****
「っ、何でも良い! 俺には愛というモノはない!」

「ましてや生き返りの産である、この女性と...  恋をするわ訳にいかない!」

「...そんな君が、好きだ!」

「今のは、何だね?」

…「あっ。 あえ。」

「ええ? ...ううう。」

「ぐあああ! 分からない! 俺はアイエムに振り回されている!」

「好きになってくれ!」

…「あ。 あ、ん。」

「?!」

キス。

****
バティサスは、今にも嬉しそうだ。

「んんん。 ん...」

…「」

合わさる、顔。

二人、深めて。

終わった。

「...」

「好きだ...」

…「ん。 ふ。」

あら、どんどん口を覚えていくね、アイエム。

良いよ。 それも気持ちなの。

さあ。 旅を続けなさい。 次どこへ行くかは、分かるでしょう。

「......ああ、面白くなってきたぞ! もうアイエムは私の虜だ!」

「さあ! アイエムよ、どこまでも行くのだ!」

…「あえ。 い。」

****
次にビル群を二人で歩いた時は、道路や道が人で溢れかえっていた。

みんな、何かを祝う為に忙しい様だ。

…「あ。 い?」

「ああ、分かるだろうアイエム。 これは”クリスマス“と言う喜ばしき祝いだ。」

「みんなで美味しい食を共にして、ツリーをキラキラにさせて、プレゼントを迎えたら、気持ちを共感させるのだ!」

…「あい。 し。」

「ほう? ”私も参加したい“、て。 もちろん、この世に存在する限り、皆が共有するものだ。」

「だからなあ? 俺達で、準備をしようではないか!」

…「いい。 あ。」

「さあ! クリスマスはすぐそこだ!」

頭に、冷たい何か。

「...お?」

…「あえ?」

星の光る夜空に、散らつく白。

どうやら、雪が降ってきた様だ。

それが、この世にとって、初めての雪であった。



思いやりの妄想

気づき……

アイエムは、エイムと共に電飾の明るいストリートを歩いていた。

忙しい人々の、行き交い。

「なあ。 君は一体、何が欲しいのだ?」

…「あ。 な。」

「”何でもいいから、知らない“って。 なんてお騒がせ者だ!」

「この俺がブランド物や時計を買えると思うなよ!」

…「あ。 い、ん。」

「”何もいらないよ“...」

「っ。 別に、君に何も買ってあげない、と言う訳では無い! 必ず何かを買う!」

「さあ、歩け歩け、アイエム! 好きなお店を見つけるのだ!」

…「あ。 わ。」

****
歩く。

歩き歩き。

素敵な、お店の並び...

一角の、暖かいお店。

見つめる、テディベアたち。

…可愛い。

「ほほう! なんて産なのだ! 君は子供じみたものが好きなのかね?」

…「こ、の。 く。」

…「ほ。 か。」

「...っ。 ”この優しいクマ、欲しいから、買ってね“?」

「俺は...」

ニヤリ。

「買ってやんない。」

…「あ! あ!」

足踏みをして、少し熱を入れるアイエム。

その姿は、エイムにとって、また抱く。

「っ... ううう、分かったよ。 買ってやるから、少しは落ち着け!」

…「あ、り。 と。」

入店...

****
「いらっしゃい。」

「あ。 こんにちは。」

…「こ、ん。」

家を待ちかねて並ぶテディベアたち。

アイエムは、目をキラキラさせてそれを一つづつ、丁寧に見通す。

「...そんなに好きなのか、この孤児のテディベアたちが!」

フイッ。

…「あ! い!」

「ん? ああすまない、今のは俺の不注意だ!」

「本当に生き返りの産とは、なんて素敵な心を持つのだ!」

「あいや、別に君の可愛さを誇張している訳では無い。 君にはまだ改良に余地がある!」

アイエムが指差したのは、いびつな一人。

…「あ。 ほ。 か、い。」

「ほほう?! こんないびつなテディベアがいいのか?」

…「あ! か!」

「”みんな平等、それぞれ個性があって可愛いの。 これがいい!“って。」

「俺は...」

「その心を大事にしたい...」

…「そ。 い。」

「まあ何でもいい。 よこすがいい、君の為に買うから。」

****

手渡した、優しさ。

それを丁寧に扱う、器用さ。

エイムが見つめた、いびつなテディベアは、何だかアイエムの純粋さを映しているかの様にも見えた。

ついつい、顔を逸らすエイム。

「っ、」

…「あ、だ?」

「ああ、俺は何でも無い! 君は外で待っているがいい。」

…「あ! み!」

「いいかアイエム? ラッピングがあるんだ。 素敵なラッピングを施すから、大人しく待つがいい!」

…「わ。 ま、つ。」

****
待つ...

待っている...

ふと背後を見ると。

エイムは優しそうな顔で、店員さんと選んだ子をラッピングしていた。



…彼にも心があるんだ。

見てみぬフリをした矢先。

出てきた。

「さあ! 完成!」

…「あ。 す、き。」

「?! そ、その。 俺は大した事はしていない!」

…「や、さ。 し。」

「っ。 君がそう言うなら、別に否定する訳では無い...!」

…「き、す。 ん。」

「?!」

キス。

比較的軽い気持ち。

エイムは、恥ずかしそう。

「......ああ。」

…「ふ。 あ、り。」

****
「さて、他の物も買わなければ。 君はしっかりと、プレゼントを担ぐのだ!」

…「も。 わ、か。」

再び、二人で歩く。

お肉屋さん。

「分かるだろう、バティサスは魚の肉が好きだ!」

…「に、く。 せい。」

「“チキンに魚、精製すればいい”って。 そんな事、出来ると思ったか?」

それを見かねたお店の人が、一言。

「全然受け付けるよ。」

精製してもらった、合い挽きのチキン。

「はああ...」

…「あ、り。 と。」

「いいえ。」

惣菜屋さん。

「クリスマスには、やはりラザニアだな!」

…「り、こ。 ち。」

「“リコッタチーズが必要“? いやいや、出来合いの物でいい!」

…「あ! だ!」

「っ。 仕方がないな、君も手伝うんだぞ!」

…「も、ち。 つ。」

****
一通り揃った、フェスティブ。

「居所」へと戻る。

「ただいま帰りました、バティサス!」

…「た、だ。 い。」

お帰りなさい。

あら、アイエムにプレゼント?

「ああ、その... 彼女が欲しがったからな!」

素敵じゃない。

あなたにもプレゼントはあるのよ、エイム。

「そうなのか?!」

「あいや、別に大はしゃぎしている訳ではない。 プレゼントなど、自分で養える!」

いいえ、これは気持ちよ。

気持ちが大事なの。

「っ。 何でもいい、」

さて、料理を作りましょう。 材料は揃えたかな?

…「あ、う。 りこ、た。」

あら、リコッタ? いいよ、よく揃えてくれたね。

****
仕込まれたラザニア。

焼かれたチキン。

アイエムとエイム、みんなでバティサスの作る上手なサーブを、優しさと器用さで補助する。

そのうち、テーブルには素敵な料理が並んだ。

ロウソクが立って、みんなの心を灯す。

それで、みんなで座って...



さて。 食べましょう。

「ああ! 美味しそうだな!」

…「おい、し。 い、た。」



****
パクパク。

…「な、つか。 おい、し。」

あら、そう。 きっと、遠い次元の思い出だね。

クリスマスは、とても素敵な時間よ。

エイム?

「はむっ、む。 ああそうだ、もちろん!」

「みんなで食べるクリスマスは最高だ!」

「これにビール一本でもあればもっといいがな!」

こら。

元気が出過ぎちゃう、アルコールは禁物よ。

…「あり、が。 と。」

いいえ、アイエム。

楽しんでね。



そうして、詰めるだけの一日が過ぎた。

****
食後の、睡眠。



みんな、眠いよね。

「ふあーっ。 俺は... だいぶ眠い感じだと思う!」

…「...あ。 ね、む。 ...ふ。」

そうね。 みんなでベッドを共有しましょう。

「?! アイエムと寝るのか! この産の女と!」

「あいや、別にそれが最高だって訳では無い。 ただ、彼女を放って置くわけには、いかないだろうな!」

エイム。 忘れたのかしら。

アイエムはもう、私達の立派な家族の一員よ。

「...っ。 俺の、相棒が... そうに決まっている!」

…「...う、し。 あり、と。」

「いやいや、これはなんでもない!」

「早めに、布団に入るがいい! この布団は、バティサスが編んだ、特別な毛布だ!」

アイエム、気楽に身体を休めてね。

…「う、ん。 とな、り。」

「?! 俺の隣...?」

…「あた、か。 ふ。」

****

新たな家族と共に体を寄せるベッド。

それは、今まで以上に、心地の良い気持ちだった。

プレゼントのテディベアも、アイエムの側に居場所を見つけて、嬉しそうだ。



おやすみなさい、アイエム。 エイム。

「...っ。 おやすみ... なんだ。」

…「...おや、み。 ...すう。」

「...」



雪が降り積もる、この世の、灯る夜。

“終わったはず”の世界は、また一つ、広がった。

Simulation Interrupted.
本能と願望。
シミュレーションストーリー。

&「シミュレーション妨害済」&
「...なんだよ、あれは…?」

エリック・バートンは、大きくて白い人体を遠くに、ぼやく。

限りなく宇宙に存在する、裸の女性。

彼女は手を伸ばして、ビックバイパーを掴もうとするので、

「くそっ、ー」 避けた。

何も掴めなかったその手は、引いてゆく。

どうやら、

「...選択の余地は無さそうだな。」

****

始めの攻撃戦。

人体は怯みをみせない。

むしろ、「喜んで」いる様にも見える。

次の攻撃戦。

また手が伸びる。

その次、ビックバイパーが弾かれた。

致命的なダメージ。

「っっっ、くそ! ...動かない...っー」

エリックが戦闘を回復しようとするのも後がなく、ビックバイパーはびくともしなかった。

そのうち、ついに手が戦闘機を掴み取る。

暗闇のコクピット内に白い液体が流れてくる。

「!っっっ。 くっー ぐ。 う」

応対する隙も見せずに、エリックと全てを包囲する。

もう何も見えない。

「......」

****

「......ここは、何処だ?」

エリックが目覚めた先。

白い空間に、浮いている。

人が向こうから来る。

先程の人体にそっくりだが、綺麗な肌色だ。

「地面」を歩いている。

エリックも足を着く。

見つめ合う。

近づき合う。

顔と顔を合わせる。

体が触れてー

「くっ、っ。」

二人、倒れた。

気を取り直して、見る。

少し不器用な、ニンマリした、女性の顔。

囁きが近づく。

...「一緒になろう... 一緒になろう。 その方が楽。」

「...は?」

戸惑うばかりのエリック。

気づき。

見つめた先、触れ合う胸。

手が伸びる。

「っ!」

産の顔が叩かれた。

確かにヒリヒリする。

女性は見つめる。

「......俺は、お前を... ...知っているのか?」

...「私は知っている... あなたは覚えていない。」

触れ合う。

少しづつ誘惑が確かになる。

エリックは抑えている様だ。

****

...気づき。

確かな、気づき。

あの時の、出会い。

あの時の、別れ。

遠くて、近い、存在。

何かを探す手を、止める掴み。

それは手を掴み合い、体に触れ合う。

「っっっ。 っ...」

初めて感じる。

「......望むのは、俺か...?」

...「いずれ、そうよ。」

顔が近い。

どうやら、

「......選択の、ー 余地は、無さそうだな...」

本当に近い。

...キス。

シミュレーションが妨害された。

****

...「あなたの、名前は...?」

「...ああ。 ...俺は... ...ただのパイロットだ。」

「...ただ、俺を名前で呼ぶなら“エリック”と呼んでくれ。」

「......“エリック・バートン”。」

「...みんな、俺の事を単純に“パイロット”と、呼ぶがな。」

「...何でもいい。」

...「...エリック。」

...「好き。」

「......ああ。」

...もう一度、キス。

...「私達... そろそろ、お別れだわ。」

「...?」

...「シミュレーションは、復元率に高いの。」

「...そうか。」

「......また逢えるのか。」

...「私は、いつでもそばに居るの。」

...「エリック。 私はこの世界の上に居るから。」

「......」

目の前が、ランダムノイズになっていく。

...「...さようなら。」

「......女よ。 ...俺は、ー」

プツッ

シミュレーション、再開。



&「共有」&
左手の、火傷。

ビックバイパーの左のウイングを攻撃したミサイルの為なら、その痛みは大きいものだった。

エリックはその状態で、部屋へと帰る。

...「エリック。 左手...」

気づかれた。

「...いや、...これは... ...何でもない、」

女性が傷の手を丁寧に触れる先、痛みと恥ずかしで反応したそれを、エリックは隠す。

「......女よ。 ...これは... ...何でもないんだ。」

...「あなたは、ビックバイパーとして傷んだの...?」

「......いや、違う、」

「...今日は手を火傷しただけだ。」

...「エリック、私には全てが見えるのよ...」

****

女性は誘惑的に体を近寄る。

一つ一つ、脱げる服装。

「...お、女よ。 ......俺は今興味がない、」

綺麗な裸。

「......、」

我慢できない。

女性はエリックとの目線を崩さずに、腰の辺りまでしゃがむ。

...「欲しくないの...?」

ただ見つめ合う。

「......っ。」

情けなく、性欲でいっぱいだ。

頭に降りる、左手。

その酷い火傷の手は今にも痛そうだった。



&「保護体マテリアル」&
サイレン。

女性は耳を塞ぐ。

大きな音のサイレン。

段々、塞がれて、静まり返る...

エリックは、既に夢から覚めて万全に起きていた。

お互い裸の上半身を、女性が合わせ合う。

それだけが、エリックを止めていた。

...「操縦に向かうの...?」

「......ああ。 ...俺は... ...ここにずっと寝ている訳にもいかない。 ......俺には... ...パイロットとしての、任務がある。」

言い訳が足りない。

...「私の内なら一生、寝ていられるのよ。 一緒にならないの、エリック...?」

****

顔が近い。

...キス。

優しい動きから、傲慢な愛まで。

それでも。

エリックが、顔を引く。

どうやら、

「......俺は、行かなければ。」

...「そうね... 好きにしなさい...」

女性も、顔を引く。

サイレンが、帰ってくる。

大きな音のサイレン。

鳴り響く内、エリックは準備が出来た。

「......」

愛する者を後ろに、後を去る。

****

ビックバイパー。

エリックは行くべき所を知っていた。

コクピットに着席する。

目を閉じて、集中。

意識が開くと、目は青白く光って。

準備ができた。



&「ワンネス」&
部屋に帰るエリック。

既に女性が方向なく立っていた。

「......何が、したいんだ...?」

ただ歩いてくる。

一つ一つ、脱げる服装。

...「エリック。 欲しくないの...?」

辿り着いた時には、綺麗な裸。

「......、」

体を手で、上から下に、なじる。

我慢できない。

服が自然に脱げる。

熱いキスと、愛。

二人、ベッドへと向かう。

****

「...っ、っ。 うっ。」

...「気持ちいいでしょう... 一つになる事...」

「...っ、っ、。 う」

オーガズム。

体が溶け合う。

本当に溶けて、解けて。

そのうち、二人は白い液体へと溶解する。

ワンネス。

****

白い空間。

二人は存在していた。

隣り合わせ。

...「...エリック。」

「...何だ、女よ...?」

...「...好き、」

二人見つめ合った上。

...キスが交わされる。

お互いの顔。

...「私の名前は、”無意識“、0番よ。」

「......ああ。」

「...”無意識“、か。」

...「私はこのシミュレーションの神様。 すべてを管理してるの。」

「......」

...「だから。」

...「エリック。」

...「あなたは、私の永遠なのよ。」

「......ああ。」

「......好きだ。」

「...無意識よ。 ......俺は、お前のことが好きだ。」

「...っ。 ん」

...再びキス。

それは永遠に、続いた。

二人の熱い愛は、その様にして、立証された。

シミュレーションが、妨害された。



&「世界」&
エリック・バートンは痛む。

彼の操縦するビックバイパーによる、激しいドッグファイトの後、エリックは戦機同様の痛みだった。

コクピットから無理やり脱出した身体は、地面に叩きつけられて、さらに痛む。

「っっっ。 ぐっっ、 っ。」

セリフにはしないが、抑えたうめき声と腕の哀れな動きが、彼の辛さをよく示していた。

血だらけで、傷ついている。

段々と疲れてくる。

エリックは「生きるレジェンド」で終わるのか。

力なく、遠くなる。

陰る足先が、エリックの周りにいる。

彼は、恐る恐る目を閉じて、休んだ...

****

目覚める。

エリックは白い空間に、仰向けで寝そべっていた。

綺麗な肌色で、痛みも傷も、消えた。

薄い水辺に、見える人物はもちろん、無意識0。

無意識0はエリックの元へと歩くと、彼をなだめた。

...「エリック。」

腰のあたりに座り込み、誘惑をする無意識0。

はあ。

一つため息をついて、顔を上にするエリック。

瞑った先は、いっぱいだ。

無意識0。

世界。

エリックには守るものがあった。

無意識0の頬に触れる、エリックの確かな手。

「......女よ。 ...俺がお前を守るんだ。」

体を上げた無意識0に、立ち上がるエリック。

「...俺を喧騒に戻してくれ。」

...「本当にいいの?」

「......俺には、守らなければならないものがある。」

...「いいのよ。 好きにしなさい...」

シフトしていく視界。

気づけば、ステーションの部屋にいた。

机の薬を手に、頬張る口。

準備ができた。

ビックバイパー。

向かうべき所は、それしかない。

コクピットに、着席する。

目を閉じて、集中。

意識が開くと、目が青白く、光って。

この世界は、俺が守る。

Starworld.
欲望と制裁。
世の中ストーリー。



コンドウHXは、酔っている。

余りにも酔い余して、今の状況が把握できない。

コンドウが座る一人掛けのソファ。

周りには、転がるお酒。

床から机へと不規則に並んでいて、ついにはコンドウが掴む一つ。

「エッチな事したい? ねえ。 コンドウ...」

「なあ... なんえ、そんあ目でみてうんだぅ?」

「いいぞ... コンドウはかわゆくえきれえなオンナにちんこをしゃぶられあい...」

酔いすぎている。

****

「はっ、っ、うっ、っっ、ぐ。」

「あん。 やっ。 気持ちいい。」

「ぐっ、気持ちええ、コンドウはいあさいこうだ、 っ、 ふう、ふ。 う。」

「ううう。 うっ。 っ。 は。 あ」

コンドウはイッた。

****

最期。

コンドウは顔を手で塞いで、うだうだ、みすぼらしい。

女はコンドウに手を伸ばす。

「うっ、っ俺に触るなよ...」

「コンドウ... 聞いて...」

「あなたは... とてもハンサムなの。」

ヒクッと反応。

「え...? じゃあなぜ、こんな俺とセックスなどするのだ...?」

「それはね... あなたが作り出した制裁よ、コンドウ。」

「女は強制されて、男が制覇して、セックスが回るのよ。」

「あなた、本当にこれでいいの?」

コンドウはそれを聞きたくなかったが、本能の耳には入った。

「...っ。 なん、」

「ああ、うるさいうるさい!」

「これは私の制裁だ、誰も手を加えやしない!」

「みんなを、この世の中の無意識の自由から救う為には十分、必要な制裁だと思わないか、なあ?」

「言っておくが、アナキズムは放っては置けない「病気」だ。 この世の人々は、あまりにも怠け過ぎている。」

「でも、あなたはそれを促進させてる、ー」

「うるさい!!!」

お酒のボトルが一つ、殴るようにぶん投げられた。

「いや! いじめないで。。。!」

「わかったか?! 私はスターワールド最高の独裁者だ! この私に抵抗する者は後がない!」

女の、気を取り直した姿。

「コンドウ...」

「好きよ...」

「ふん。 お前からは、存分に美味しいセックスを頂いたぞ。 じゃあな。」

コンドウは女をベットのそっぽに、後を去った。

Starworld.
性欲と諦め。
世の中ストーリー。

&「葉巻」&
デイブ・ヘンドリックスは煙を一つ、吐いた。

ベンチに座り来るものを待つその姿は、みすぼらしくて、まるで負け犬の様だ。

真空の青色は、デイブの鬱々しく、乾いた目には明るすぎた。

誰かが腕に力を与えている。

「デイブ。」 女が声を掛ける。

デイブは首をぐりっと傾げて、彼女をただ見つめた。

裸の、綺麗な肌色の女性は、その体だけでデイブの性欲を買った。

「私のこと、覚えてる...?」

「...いや。」

女は金を見せる。

「ねえ。 またしよう...?」

女はデイブの股部に触れた。

その時点で、デイブは促された性欲に儲けて、金を手にすると、もう片手でなじってカウントした。

それで、デイブはやっと女のことを細かに見た。

女はデイブを支配する。

「欲しくないの...?」

「...そうであれば。」

当たった。



&「セックス」&
セーター姿の男の人。

若きデイブ・ヘンドリックスは悩む。

お金がない。

電気、水とガスは、止まっている。

暗い部屋で一人、うずくまる。

「どうしよう。 どうしよう。」

ドアが開く音。

裸の女が一人、デイブの家へ入室した。

「ねえ。」

「...誰?」

「セックスしよう。」

「僕、慣れてないんだ。」

「あなた、今とても困っているでしょう。」

「うん。」

「だから、大人のやり方を教えてあげる。」

「私に全部委ねなさい。」

女は、デイブの横に座って誘惑してくる。

「この世界では、女が男を支払うのよ。」

「そんなの、知ってるよ...」

「じゃあ、なんで避けるの?」

「僕、セックスは苦手だ。」

「一番いいテクを見せたモノ勝ちよ。」

「少しは委ねなさい。 私と出会えたのもラッキーよ。」

デイブはじっと見つめていた先、少しづつ我慢を切らしていた。

股部に触れる丁寧な手。

デイブは、

「いい事しようよ。」

我慢できない。

****

「はっ。 はっ。 っ。」

「ん。 あっ。 あん。 いいわ。」

(イクんだ。 イクんだ。 僕はイクんだ。)

「うっ。 っっっ。 は。 っ。」

「いやん。 あなた、上手いじゃないの、あっ。」

「っ。 っ。 うう。」

「あ、あ。 あん。 あ。」

「っ......。」

****

「気持ち良かった...」

「......」

デイブは、一つ煙を吐いた。

タバコを片手に立ち尽くす、トレンチコート姿の男。

「またしよう...?」

「...その時があれば。」

「デイブ、あなたはとてもいいのよ。」

「すごく気持ちがいいの。」

「ああ。」

「祈る天使には、顔がないとな。」

「金は貰った。 じゃあな。」

デイブは手を柔らかくフイフイする女をベッドに、後を去った。

Codex Stimulus; KONAMI Edit.
支配と制覇。
ディストピアストーリー。

&KONAMI Borders「コナミ境界区域」&
「彼」は目覚める。
まだ真っ暗な夜。 ベッドに、片付いた机。

キウイの置物はこちらを見つめている。
人生のすべてがこの四角い部屋に整っていた。

窓の外を見渡す。
横にどこまでも続く分厚い壁が、この先の行方を遮断すると言わんばかりに閉まっている。

風の通りは悪い。

仕方がないので、このまま寝続けることにした。 午前ゼロ時十分の事。

****

「彼」は起きる。
カーテン越しに日を浴びる。 ベッドに、片付いた机。

キウイの置物はこちらを見つめている。
人生のすべてがこの四角い部屋に整っていた。

窓の外を見渡す。
壁が開いていて、向こう側は忙しい生活の姿。

風の通りは、とてもいい。

今こそ外に出るチャンスだ。
「彼」はそう認識した。

****

外に出た。 午前九時十分の事。

街並みが語る。 おはよう。
人々は行き交う。 おはよう。
自然のさえずりが響く。 おはよう。

すべては完璧かのように見えた。
……KONAMIでなければ。

高いビルの並びが「彼」の見上げる顔に影を落とす。
今にも倒れて来そうなその佇まいに、もちろん、「彼」は不満を抱いた。

何十年も前からそびえて来たKONAMIに対して仇を討つ事は、達成する目的の内でもあった。

そして、不満が満を期して始まる。
案内は行き届き、武器は揃い、覚悟がされる。

その日が時系列戦争の始まりであった。



&Broken Days「壊れる日常」&
構える「彼」を前に、ひょうたんに現れたコナミアンドロイド。
何体も何体も、軍を作り「彼」の後を追う。

刀と銃による争いが繰り広げられると、人工の血が広くしぶき上げる。

銃の一弾は「彼」の肩を一撃。 痛い。
「彼」は怯んで身をひそめる。

コナミアンドロイドはどんどん行進して、動きを止めずに忙しい。
彼らが「彼」を探すよりも目の前の目的に忙しい間、「彼」は応急に争いに帰る事を望む。

「彼」を見下ろす、赤い光。
とっさの一撃はアンドロイドの頭を貫通し、ついには機能停止させる。

刀に頭から串刺しのコナミアンドロイド。
他のアンドロイドは驚きで急激に動きが止まり、瞬時に準備ができない。

「彼」は復活し、唖然とするコナミアンドロイドの頭を狙い一撃をかましていく。

今度は一つもミスがなかった。

そのうち、場は薄赤の人工の血が溢れた溜まりへと変換される。

「彼」はただ佇んだ。

残すものは何もない。 続けよう。



&Dead Call「死の呼び声」&
銃声。 「彼」はかわしたはずであった。

……彼がその場にやって来た頃には、怪しげな静寂が響いていた。

落ちている銃。 倒れている「彼」。 見下ろすコナミアンドロイド。
彼が重い銃を拾い上げると、いくつか弾が残っていることに気づく

……構えると、そのシーンは始まった。

銃撃戦。 一体のコナミアンドロイドに当たる。
固まるアンドロイドの軍を前にその隙を狙い、場から緊急退場する彼。

どこまでも、目的なく走り続ける。

そのうち、事に気づかない人混みが見えてくる。

「彼になりきれ」

人混みは、唖然。 彼とコナミアンドロイドは内部を駆け抜ける。

まぬかれた混乱が彼を一人にさせてくれた。
彼はそのまま、ドアが開いたままの出発前後のバスに乗り込む。

銃をポケットに入れて。 助かった……

****

バスの中。 やっぱり混んでいる。
皆お出かけだろうか、仕事だろうか。

……かと思えば、一人の「客」がポケットに入れた銃を向けてくる。

唖然と静寂、困惑。 すべてがおもりを下す。

……構えると、そのシーンは始まった。

上手く体を使い、銃をかわして。
コナミアンドロイドを威嚇すると彼はそのままバスを脱出した。

彼には走り続ける他の術がない。
その間にもアンドロイドの数は増え、距離が増していく。

もうすぐ近い内。
足を踏み出して、あとほんの少し……

脱出成功。 下手な着地。

どこか遠い、夕暮れの街並み。 助かった……

****

夕暮れも落ちて、暗くなった頃。
草むらの茂みで、仰向けになりくつろいでいると、何故かKONAMIのロゴが夜空に浮かぶ。

彼が驚いた頃には隙がなく。

銃声が響く。

コナミアンドロイドにより、右腕に二発、左脚に三発、それから頭に一弾を撃たれた。
瀕死のうち、時系列の胸だけは助かった。

コナミアンドロイドはけなして場を離れ、彼は苦しむ。

そのうち、彼は弱くなるとすべてを受け入れて、冷たく痙攣をする存在となる。

彼はそのまま目を閉じる……



&The Trial「拷問の時」&
薄暗い室内に冷たい鉄のベッド。
「彼」が気がついた時はそのベッドに繋がれていて、かつ数体のコナミアンドロイドに包囲されていた。

右腕はほぼ切断と同じ位で、脚も痙攣しており、体の不自由さが動きを抑えた痛みに響く。

「……時系列はどこだ。」 静寂。
「……チッ。 チッ。」 相槌の声。

「……ムヘヘ。」 胸をさする、傲慢な手。
運が良かれ悪しかれ、「彼」はただ我慢するしかなかった。

****

ドキッ。 ドキッ。

響く時系列。

掴んでくる指の圧は増していき、皮膚を掻きむしるかのように血が溜まる爪は期待を寄せる。
そのうち手は筋肉をむしり、胸の中へと入り口を作る。

苦しみのあまり「彼」の吐き出す声が耳に響く。

コナミアンドロイドの手には、魂。
「彼」の胸から多の水域がそろそろと流れる。

「彼」が呆然と見つめる先には赤い光の目に、にんまりした顔が集まっていた。

……時系列の希望はKONAMIの復元レゾリューションに捕らわれるのか。

「彼」はすべてを受け入れると、冷たく痙攣をする存在となる。

「彼」は目を閉じる……

****

目が開く。
「彼」が気がついた時、手足は解放されていた。

起き上がると、ふらふらと行き先がない。
目の前は暗くて薄くて、感覚がない。

そのうち、倒れる。 
顔だけこちらを見ていて、後は情けない。

それでも解放された痛みの内、それぞれ片方側の腕と脚共に機械で縫われてあった。

苦しみは続くであろう。 構わない。

「彼」はもう一度目を閉じると、すべてを受け入れた。



&Exchange「逃れ」&
暗闇の中、仰向けに宙に浮く「彼」。
無数の時系列が「彼」を前に集まる。

一つ、二つ、三つ…… そのうちの一つは行方が決まっていた。

「彼」に残された儀式の数だけ、やり直しができる。

「彼」の胸から多の水域がそろそろ流れて、準備ができた。

時系列が丸を描いて並ぶ。 

そうだ。 続きはここにある。

「喧噪」よ。 私を戻しておくれ。

****

気がつくと、「彼」は外に立っていた。 お決まりの刀とともに。

無数のコナミアンドロイドが、怪しげな表情と共に周りを埋め尽くし、バイクのように忙しく走り回る。

「彼」は復活の術を見せる。 
頭に串刺しをいくつか決めて、機能停止にさせた。

勢いよく停止するコナミアンドロイドの流れ。 
唖然と騒動で、瞬時に準備ができない。

「彼」は隙を作って駆け巡る。 一体、また一体。
その弱みに対策は一つもなかった。

……弾が「彼」の腕に当たる。 痛い。

そこに居たのは、背の高く、見下ろす一体のアンドロイド。 
書いてあるばかりのレジャックだった。

「彼」が驚く間、レジャックはコナミの策略の応戦に来ていた。
また腕に一弾、二弾。 足をすくうと、殴り返して「彼」を制覇した。

倒れる「彼」。 囲まれた。

なんだこれは?

****

その一体だけの特別な存在は、他の量産と違い傲慢な計画すら存在した。
「彼」を除外する為だけに力を手に入れたレジャックアンドロイド。

どうやら時系列の虜というのは、まるでどこまでも地平線の上に続く、重くて長い陰のようだ。

続けよう。

一撃を入れる「彼」。 ひるむ顔。
刀で切り付けると、顔のほんの少しの場面が剥がれてきた。

姿を現した青。 そうか。

****

レジャックはすぐに必死の一撃を返すと、「彼」の顔を掴み、にらみを共有する。

「時系列はすべていただくからなあ。 わかったか。」

傲慢にさする手。

「お前の胸…… 宿るのはそこだ。」
「へっ…… !く」

「彼」がかわして、一撃と刀の応戦。 レジャックは地面に突き落とされる。
それで、ついに銃が落ちた。

「彼」の復活を前に、後がないレジャックアンドロイド。

「チっ…… いまにみてな。 KONAMIは不死の存在や。」

そう言い残して、周りを包囲していたコナミアンドロイドの軍の中に姿をくらます。

停止していたばかりのコナミアンドロイドは事を認知すると、後始末を続けるが、「彼」は今にも湧き上がる存在になりつつあった。

人工の血の溜まりも、また湧き上がる。

「彼」は、ただ佇んだ。

私は生き返り、宿るのだ。 さあ、どこまでも続けよう。

INDEX #ANDROID.
生活と有様。
ディストピアストーリー。

&「セクハラ」&
2023年度コナミアンドロイドは、歩く。

どこまでも、歩く。

そこそこ、近い。

ドアを開けた先。

「早かったなあ、コナミ! おかえり。」

レジャックアンドロイドが迎える。

「はよ入れ、疲れたやろ。」

「ムウ。 コナミ、疲れてナイ。」

とは言いつつ、手を引き攣られる。

「ええところまで来るんや。」

リビング。

真ん中の、部屋。

「もうご飯出来てるって。 はよ食べな。」

「...お寿司?」

「そうや。 寿司。」

「...食べタイ。 ムヘヘ。」

コナミはダイニングに座ると、少し嬉しそうに、寿司にガブリつく。

「ハムッ、ム、ウマイ。」

「ええや、その顔。 見たかった。」

「ムウ。 ムッ、ウムッ。」

「フウーっ。 ごちそうサマでした。」

「はようて。 もっとゆっくり食べ!」

「まあいい。 部屋に行こ。」

「......。」

二人、歩く。

先輩と、後輩。

ベッドのある、部屋。

部屋の真ん中辺りで止まると、

こちらを見て、

「...コナミ。」

「ん? ナンダ、レジャック?」

「君はホンマに、かわええな。」

「私、ついつい触れたくなるんや。」

「っ。 コナミ、ワカラナイ。 コナミ、触れられたクナイ。」

「少しは我慢せいな。 なあ。」

いつもの、セクハラ。

「ムググ。 ヤメテ。」

「っ、はっ。 ええやん、コナミ。」

「......っ。」

「これくらいにしとこ。」

「コナミ、後はゆっくりしな。 私はまだ忙しいんや。」

「グググ。 分かったヨ。」

解放された。

コナミをそっぽに、別の部屋へ移動するレジャック。

コナミがベッドに寝込んだ末。

「...コナミ、分からナイ。」

「コナミは、従うのにツカレタ。」

「...どうすればイイ?」

「...眠い... ムニャムニャ...」



&「恐怖」&
コナミは、部屋の真ん中で横たわって、手を頭に抱えてうずくまっている。

部屋は酷く散らかっていて、暴れた後が見える。

どうやら、何かが「怖い」ようだ。

「っ。 うっ。 コワイ。」

「コナミ、こワイ。 っ。」

「僕はKONAMIによって、追いかけられテル。」

「コワイ。 ヤメテ。」

「はっ。 っ。 コワイ。」

そのうち、震えと痙攣が始まる。

過激な恐れと恐怖が、コナミを過酷な痙攣状態に置く。

「はっ。 あ。 っっっ。 っ。」

「コワイ。 コ、っ。 う。 っ。」

「っっっ。 っ。 は。 はあ。」

「ヤメテ。 っ。 はっっ。」

気づくと、レジャックが心配を伺っていた。

「なんやコナミ、大丈夫か?」

「ひどいな。 手をかそうか?」

「っ。 は。」

触れた。

「っっっ。 あ。 ああ。 うぐぐ。」

体を強張らせて過激に反応するコナミに、レジャックは触れるのをやめた。

「っ... コナミ、今応急を呼ぶや。 少し待って。」

「は。 あ。 っっっ。」

応急に来たスタッフは哀れなコナミを見て、早速落ち着かせる為の応急措置を取ることにした。

「ぐぐぐ。 は。 は。 ぐっ。」

神経を抜く。

「あ。 ...っ。 ......」

「...かわいそ。 ごめんな、コナミ...」

よく見ると、失禁でさえしている。

スタッフが持ち上げようとしたが、

「ええや、私がコナミを持つ。」

レジャックが持つことにした。

KONAMIセンターまで彼を丁寧に運ぶ、レジャック。

その姿は、まるで先輩が後輩を助けるかのように。

Desperate Lifeline.
終わりと始まり。
エンドワールドストーリー。



僕は、気がついた時には宙に浮いて存在していた。
神様の仕業か、悪の理性か、生きていた。

グレッグ・マーティン。 それが僕の名前。

その様にして、この街へやってきた。
少し落ち着いたベッドタウン。

友達とも出会った。

二ヴィーはピザとキノコを食べて、ナイフをいつも片手に持っていた。

テリーはうつ病で、いつも引っ込み思案だった。

どちらとも癖があって、面白い人たち。 彼らには強い思いを寄せた。
でも僕は少し太っている、という以外は決まった特徴や性格がない。

ある日、インターネットを見たら、僕よりも優れたお花のキャラクターに魅了された。
人間では無いけれど、その目的には何か惹かれるものがあった。

僕はそれを目指す事にした。
「この世界を変えるんだ。」 少し違うけど。

****

僕は早速その目的を身につけて披露した。

「目の前が赤くなったり、青くなったり。 ほらほら、なあ。」

「なんだこれは。 おい、お前の仕業か? うせろ。」 ニヴィーがうざそうに付き合う。

少しづつこの世界の真実に気がついた僕は、周りを変化させる事で達成感を得た。
まるで ”ゲーム” をいじるかの様に。

しばらくして、僕の「世界を変える」という目的は異常なまでに暴走した。
僕は完璧を求めた。

壊れていく世界。 荒ぶる気持ち。
「ふざけんな! お前のせいで周りがごちゃごちゃだ!」

「だって、世界が変われば僕達の自由じゃないか。 ほら、こうして、この様にー」

「やめろっつうの! っー!」

グサッ。
ニヴィーのナイフが刺さり、僕は殺された。

そこにたどり着くまでは、あっという間だった。

****

……生き返る。
僕はまた、グレッグ・マーティンだ。

それでこの空間にやってきた。
定義のされていない、何かの世界。

僕はここで、しばらく自分探しをした。
上手くいかなかったけど。

ある時は、剣を片手にヒーローになってみたり。
ある時は、ノートを片手に散策したり。

それでも、僕には生きる意味がなかった。
ただの存在。

僕はいつも死んで生き返る。
自殺。 飛び降り。 血だらけ。

****

そろそろつかれた、という時に僕はまたあの街に生き帰った。
少し落ち着いた、ベットタウン。

またやり直そう、とそうきめた。
上手くいかなかったけど。

二ヴィーは僕のうわさを広めて、僕の行く先をめちゃくちゃにした。

テリーは、僕の優しさに恐れを持ち、自殺をした。

僕の行く先、触れるモノは壊れ、人々は僕のうわさをけなした。

僕は本当に存在することが嫌になった。
心を引き抜いて、また生き返る。

その生き返りで、僕に感情がない事に気がついた。 気持ちも、空っぽ。
僕は悪の存在だ。 そう決心した。

****

僕はまた目的を作り、行動を始める。

まず、部屋のファミコンを取り込む。 すると、僕の声がピコピコに荒れた。
そして僕の深い意識を全開させる。 この「世界」の支配を手にした。

やがて、ナイフを片手に、無実の人々を切りつける。
憎い友達を皆、人殺しにする。

そのうち、僕の背には黒い翼が生えて、空を制覇した。
空の上で燃える太陽を下ろして手の上に置いた。

燃える世界。
パニックになる人々。

その時、僕は「世界の破滅者」になった。

****

僕が世界に対して決着をつけようとしている時、雲の奥から一人かわいい天使がやってきて、「世界の破滅者」を退治しようとした。

僕は反抗するが、すぐにやられる。
あっけなく敗北。 空を落ちる。

****

……気がついた時には、僕の理性は戻り、心もあった。

彼女の名前はジェレミー・フリッズ・フィズガード。

「世界の救世者」だ。

その様にして、僕はやっと生きる意味を見つけた。
いまだにそれがどういうモノか、わからないけど。

今は彼女と付き合うことが日々の日課だ。

Desperate Lifeline.
生と死。
エンドワールドストーリー。



目立つ、トライアングルコーポレーションの制服。

縦長顔の、”アシスタント”。

「なあ、グレッグ。 次は気おつけるんだぞ。」

「俺はお前のお尻をいつまでもおんぶできないさ。」

青いシャツの、気がしれない男の子。

「ああ、分かってるって。 気をつけるよ、うん。」

「お前はまるで、赤ちゃんみたいに俺にしがむんだ。」

指を指す、ポーズ。

「お馬鹿さんの”おば“もいい加減にしたらどうだ?」

「っ。 分かったよ。 なあ。」

「まあいい。 俺は今日は仕事締めだ。 じゃあな。」

「またね、うん。」

グレッグが帰った末。

帽子を取る。

テリー。

「...あ、ああ、あ。」

「き、今日、きょうは、つ、つ、疲れたよ。」

「お、お、お家、家、に帰ったら、あ、あ...」

「ぼ、僕は、こ、今度、こそ、し、し、しぬ、死ぬんだ...」

「あ、あ、あはは...」

ワープ箱。

ラベンダー区域。

家。

「た、ただ、た、た。」

「ただいま...」

「あ、あ、ああ、あはは...」

2階へ上がる。

ホームコンピュータ部屋。

「ぼ、ぼ、ぼく、僕の、と、友達...」

椅子に座る。

コモドール64。

「...よし。」

「ぼ、僕の、す、す、好きな事。」

チップチューン。

「......」

ヘッドホンを装備する。

集中。

気が良さそうだ。

耳を凝らして。

身体を同期させて。

「♪」

後ろのクローゼットの中に隠れる、釣り上げられた輪のロープ。

今日はそこには、用事がなさそうだ。

Desperate Lifeline.
悪と正義。
戦いストーリー。



ココア。

「美味しいココアができたの!」

「今日は誰にあげようかな...?」

「......」

不吉な予感。

「...、」

「悪の脅威が近付いてるかもしれないの!」

「私は悪を倒しに向かうのよ!」

ドア。

雲の上。

飛び立つ、肌色の羽。

ジェレミー。

空高く。

日が明るい。

「あれは...?!」

グレッグ。

手の上の、燃える太陽。

「この世界は、燃える。」

「皆死を覚悟せよ。」

「!、やめなさい!」

白い骨の、丈夫な剣。

拳を握った先、ナイフ。

ぶつかり合う。

「っ、みんなの為に!」

「私は戦うの、!」

強い振りかざし。

ジェレミーが切り付けられる。

「っ、いったい...!」

赤い目で視線を向けるグレッグ。

「悪の力ね...」

「私が治めるの...!」

持ち上げられる拳のナイフ。

「この俺に抵抗する奴は、皆殺しだ。」

ぶつかり合う。

「大丈夫だよ... あなたは、治められるの。」

「だから、」

「ちょっと、我慢してね!」

振りかざし。

グレッグが傷んだ。

「くっ! なんだ......」

赤いひし形の、ハート。

「っ、」

空を落ちる。

「待って!」

空の下。

落ちて行くグレッグを、ジェレミーが包囲した。

地面にて、キャッチ。

「......」

グレッグは手を体に、やすめている。

「...? あれ? 僕...」

「...君は、誰なんだ...?」

「私はジェレミー。 あなたの悪の力を治めたの。」

「ああ。 ...そうだな。」

「僕は、この人生に嫌になるあまり、友達を皆裏切った。」

「破壊して、この世界に復讐しようとした。」

「それでも、許してくれるのか...?」

「...、うん。 私の内なら、あなたは無罪よ。」

「......ああ。」

「僕はグレッグだ。 よろしくな、ああ。」

「グレッグ... よろしくね。」

その後は、雑談が続いた。

Realms: Tokyu Stories.
配偶と優遇。
日々ストーリー。

&「カフェ」&
夜の東急テクノシステム、長津田工場。

ハチゴーはガタガタのパイプ椅子に腰を掛ける。

手は潰れていて、下を向いていて、まるで何かを深く考えているようだ。

そこへ20系がやって来る。

「なあ、ハチゴー。 僕、来た、よ。」

「ああ。 なんだ。 スタッフにバレたらどうするんだ。」

「いい、の。 なあ、カフェ、に、行こう。 僕達、だけ、で、お話、が、したい、な。」

「仕方がないな。 じゃあさっさとここを忍び出よう。」

二人揃うと、手を繋いで歩き出し、工場内の監視を縫う様にして工場の外へと出た。

少し長く遠くに歩いた先。

カフェに入る。

「いらっしゃい」

席に着く。

「さあ。 ハチゴー。 今日、は、何が、いいん、だ?」

「っ。 なんでもいい。 私はただ君に連れまわされているだけだ。」

「そんな... じゃあ、僕は、メロン、ソーダ、君は、スコーン、の、一つ、でも、どうだ?」

「っ。 いい加減にしなさい。」

「あいよ」

ハチゴーは思う。

(あぁ。 可愛い。 私の為にわざわざここまで連れて選ぶなんて。。。 あぁ。 嬉しい。)

「?ハチゴー。 僕の事、見つめて、どう、した、んだい。」

「...っ、ああ。 なんでもない。 好きにするがいい。」

頼んだメニューが来た。

「美味し、そう...」

「......」

「いただ、き、ます。」

「...私も、一つ。」

飲む20系。

かじるハチゴー。

まるで電車だと言う事を忘れるかの様に。

「さては、君の話とは、何かね。」

「あ、えと。 僕達の、存在、意義。 保存、期間。 とか。」

「つまり、私がどれくらい長く保存されるかって?」

「そんな、感じ。 僕は、まだ、現役、だけど、君は、引退、済み、だよ。 雨漏り、とか、大丈、夫?」

「ああ、それは人間どもが手を加えてくれれば、後は私の生きる意思だけだ。」

「でも、僕達、は、所詮、人間が、作り、出した、電車、なんだ。 人間が、居な、くなれ、ば、僕達は、錆びて、朽ち果てる、だけ、だよ...」

(バカな事を言わないでくれ。 私達は永遠の電車だ。)

「...ハチゴー。」

「!ああ。」

「君、今日は、浮いて、るね。 何か、考えて、るの?」

「いや。 バカな事を言わないでくれ。 私達は永遠の電車だ。 溶接されている限り、そうであり続ける。」

「...うん。 そうで、あれば、いい、よ。 ハチゴー。」

20系は飲み物を片手に、少しうつむく。

(彼はとても心配をしている。 私に出来ることはないのか。 あぁ。)

(......20系。 私は。)

「...ハチゴー。 僕は。」

「!なんだ。」

「なん、でも、ないや。」

「20系。 私は。 君の事が。」

「...好き、なの、か?」

「うっ。 ふざけたものではない。 私達は所詮、電車同士だ。」

「僕も、君の、事が、好き。」

「!...」

(あぁ。 可愛い。 好き。)

「ねえ。 君は、一体、何を、考えて、るんだ?」

「20系。 正直になろう。」

「私は君と沢山繋がりたい。 知能的にも、車体的にも。」

「ああ。 いい、よ。」

「何がいいんだ。 私にこんな事を言わせないでくれ。」

(あぁ。 私は。 20系を。)

(...?)

「さては君達、抜け出したな。」

いつもの場所、東急のスタッフがやってきてしまった。

「うっ。 これは私達だけのプライベートな時間だ。 邪魔しないでくれ。」

「あっ、お疲れ、様、でーす。」

「早く立って、二人とも長津田工場へ帰りなさい!」

「ハチゴー。 ありがとう。」

「...ああ。 構わない。」

二人にとって、その後は真っ直ぐの帰り道だった。



&「告白」&
「ねえ、ハチゴー。」

「? なんだ。」

「僕... その、僕は。 ん。」

「正直に言わないかね。 私は曖昧なのが嫌いだ。」

「僕、女、なんだ。」

「!... ああ。」

「それは、オカマと言うものかね?」

「君の時代、から、言わせ、れば、そう。 今は、トランス、て言う、よ。」

「ともかく、君は身体が男で心は女、と言う事だね?」

「ん、なんと、言うか...」

「僕の、気持ちは、もう、元に、戻れ、ないよ。」

「...。」

「まあそうだな。」

「その古典的な日本女性に似せて作られた車体はまるで、この資本主義の欲望のようだ。 君が性転換してしまうのも、無理はない。」

「ハチゴー...」

「安心するがいい。 私の隣なら、君が男であろうと女であろうと、同じように扱う。」

「私は君を愛し続ける。」

「あ、ありが、とう...」

(あぁ。 可愛いんだよ、20系。 君は可愛い。)



&「どきっと」&
20系が絵を描いた。

そこそこ描けている。

スタッフに見せたところ。

「電車が絵を? なんてくだらないんだ、こんなのうざいんだよ。」

ビリビリ。

イライラしているのか、態度の悪さ上に、破いた。

「えっ... そん、な。」

「僕、ぼ、ぼく...」

「まあお前は所詮、電車なんだ。 さっさと仕事に戻れ。」

すごくショックを受ける20系。

もうどうでもいい。

****

「はあ。 はあっ。 っ。」

「気持ち、いい...? はっ。 はあっ。」

(あぁ。 気持ちがいい。)

「うっ。 っっっ。」

20系に強く打つ気持ちよさは、そのうち暴走して、機械に故障を負わせる。

それでも。

「はっっ。 気持ち、いい、よっ。 僕...」

「僕の、こと... 壊れる、まで...」

「壊れる、まで、愛し、て。 はっ。 はあっ。」

少しずつ、機能停止。

もう目に明かりが見えない。

ハチゴーは暴走し続ける。

20系の機械の中をむしって。

(あぁ。 気持ちいい。 気持ちいい。 私は。)

(壊したい。 壊したい。 20系。 あぁ。)

(...)

****

「...20系?」

「大丈夫か。」

見下ろした先。

横たわる20系の顔。

荒らされた機械の臓器。

「ああ。 なんて情けない。 20系。 まだ早いではないか。」

「生きていておくれ。 ああ。 ああ。」

****

その後しばらく、ハチゴーは鬱の状態に至った。

なんとか廃車を逃れ、直されていく20系を遠目に見守りながらも、自分にできなかった「事」を悔やむ。

「20系...」

「私は。」

「」

「......。」

****

夜な夜な、電話ボックス。

取り出した、お釣り。

電話を掛ける。

「...どなた様で?」

「ああ、メトハチ。 聞こえるか、ハチゴーだ。」

「ああ、私の親友如く、東急ハチゴーか。 どうしたのだ?」

「20系が休養しているとは聞いているところで。 その事で?」

「...ああ。」

「私がいけないと思っていてな。 私は20系を荒く扱ってしまった。」

「私の熱い支配ごころはどうやら彼をガックリさせてしまったようだ。 それで、ついには自死のように壊れてしまった。」

「私は情けない。 やるせない。 どうすればいい。」

****

「...。 それは大変だったね。」

「メトハチとしては、ハチゴーは間違った事を行わない事は理解しているところで。」

「もしかしたら、君が原因でもないかも知れないし、そもそも君の愛は破壊を夢見ないはずで。」

「...。」

「まあまあ。 元気を出すことが一番私達に出来ることで。 20系の代わりに、頑張る。」

「...彼は私よりも新しく、希望のある新型電車だ。 この私に出来る事はないのか。」

「メトハチとしては、とにかく元気を出す事。 電車としての存在を代わりに果たす。 それに尽きるところで。」

「......。」

「...いいアドバイスが出来なくて、すまないね。」

「また何かあれば、いつでも電話をくれれば返事をするよ。 では、また。」

「ああ。 またな。」

切れた。

キリよく、釣り切れ。

****

目を覚ます20系。

「...? 僕... 」

「起きたか。」

「...ハチゴー。」

「20系。 あの日、何があったのか、よく教えてくれないか。」

「私は君の事をとても心配した。 正直に打ち明けてくれ。」

「...。 僕...」

「もう全てがどうでも良くなって。」

「僕は所詮、電車だよって。 何をしても無意味なんだよって。」

「...そう、言われたのか。」

「いや、僕の描いた絵を... 破られたんだ。」

「それだけで、くだらないけど...」

「本当に悲しくて。。。っ」

いっぱいだ。

****

「ああ。 20系。 私の側に来るのだ。」

抱き込む。

「君は希望のある、新型の夢だ。 誰も、それを踏みにじる事はこの私が許さない。」

「20系。 ごめんな。」

「...っ。 大丈夫だよ...。」

「ありがとう。」

「...。 ああ。」

Realms: Metro Stories.
孤独と空気。
メトロ・ストーリー。

&「通信」&
隔離されたプラットフォームに腰を掛ける。

持ち上げられる、携帯電話。

繋がった。

「もしもし。」

ペラペラ...

「ああ、私メトハチと言うもので。 新木場の、紫。 ちょっと、繋げたい事が...」

ペラペラ、ペラペラ?

「ああ、それは申し訳ない、私は東京メトロの車両。 営団8000系、8101F。 通称、メトハチ。」

ペラペラ! ペラペラペラ。

****
「そうそう。 まあ、対した事ではないのだが、その...」

「少し、話を聞いてもらえないかな、と言うところで。」

ペラペラペラ、ペラペー。

「いえいえ、どうも。」

「と言っても、私は今... 少し、フリスキーな気分で。 誰でもいいから、電話口が欲しかったところ。 情けなく、申し訳ない。」

......。

****
ペラペラ、ペラぺ。

「あ、いやいや。 私だけの事ですから。 そちらには、電話口に掛け続ける事以外、何も要求はしないところで。 変に聞こえたら、すまない。」

「ところで、私から一つ、”いかさま“な質問がある。 ...そちらの性別は?」

ペラペラ。

「あっ、なんといい。 申し訳ない。 そちらには迷惑をかけたくないので、他の人に代われないかね?」

ペラぺー。 ペラペラペラぺー。

「......。 そうか、なら仕方がないところで。 私も、理性を保つところとしよう。」

「...では、また。」

ペラペラペラペラ。

切れた。

****
「はあ...」

「......海の匂いが激しいな。」

「少し、散歩をしようと言うところで。」



&「こんにちは、お久しぶり」&
(はあ...)

(やっとの思いでここまで来たというところで。)

(そろそろ、人間化できないか?)

(......? ああ!)

(メトロク、メトナナではないか。)

(何処へ行ったと思ったら、海辺の近く、この木の町へ訪ねていたか。)

(ああ...)

(私もここで晩年を過ごすわけで。)

****
「メトロク。 メトナナ。 聞こえるか?」

「なあ。 彼らの人間化は?」

ああ、今は出来ない。 メトロクに関しては、老朽化が激しくてね。 どこから漏電するかも、分からない。

「......。」

「そうか。」

「それは寂しいね。」

すまない。

「...メトロク。 君とは、もう一度でもいいから、顔を合わせたかったよ。」

「また、いつか、別の世界で会う機会があれば。」

「...はあ。」

「私も、この海辺ではこの様な運命なのかね?」

いいえ。 とりあえず、君にはしばらくメンテをかける事が決まっている。 安心すればいいよ。

「......。」

「そうか。」

「話はそんな感じかね?」

はい。

「では、お疲れ様です。」

お疲れさん。

****
(......。)

(海の潮風が車体を洗う。)

(はあ。 少しは散歩でもできないかね。)



&「コネクション」&
腰が降りた、夜な夜な新木場。

携帯電話は、耳元に当てて。

「はあ。 あ。」

ペラペラ... ペラペラ...

「私もその様な感じ、っああ。」

ペラペー... ペラペラ。

「はああ。 っ。 気持ちいい。」

乱暴に触れられる、鉄のモノ。

「私は、気持ちがいいんだよう。 はあ。 っ。」

ペラペラ...

****
「ぅぐ。 はああ。 気持ちがいいっ。」

ペラ... ペラペラペラペラ。

「ぐ。 はあ。 イキそうっっ。」

「ぅ。 っ。」

「ぁぁぁ。 っぁ。」

「すーっ...」

......ペラペラ。 ペラペー?

「ああ、すごく良かったよ。 ありがとう。」

「このままバレるのもよろしくないので、私は早めに電話口を切ろう。」

「......では、また。」

ペラペラペラペラ。

切れた。

****
「ふう。」

体を崩して、下を見つめる。

気持ちが良かった。

Realms: Maintenance Stories.
気持ちと事実。
メンテナンス・ストーリー。

&「境遇」&
東武50000系50050型。

カボチャが近寄ってきた。

「きゃ! 20系、少しお話ししようよ!」

「いい、よ。」

「私、こう見えて男なんだよね。」

「もう嫌だ、突然ごめん。 だけど20系って、すごく女的なんだよね。 憧れるわ。」

「う、うん。 僕、別に、こういう、風に、したい、訳じゃ、ない、と、言うか...」

「私もそうよ、もう!」

「僕、みんな、が、僕の事、を、女らしく、してる、んだ。」

「ええ?」

「あなたは、ハチゴーにも好まれてるって言うのに。」

「......その。」

「セクハラが、激しい、んだ...」

****

「僕は、東急電鉄、2020系、通称、20系だ。 よろしく、ね。」

「なあ。 もっと女的に振る舞えよ。」

「え?」

「なあ。」

「っ。 触る、なよ。 ...っ。」

「おい、いい加減にしろよ。 嫌がってるじゃないか。」

「ああ。 残念だな。」

「......っ。 僕は。 電車、なんだ。」

「古典的な日本女性の顔ってな!」

「え......」

「そんな男っぽくしてたら、似合わないぞ。」

「......。」

****

「はあ、あっ。 あっ。」

「ハチゴー... 気持ち、いい?」

(あぁ。 可愛い。 可愛い。)

「んっ。 っ。 ぁ。」

****

「えっ、かわいそう。」

「嫌だ、そんな境遇なの?」

「大丈夫。 僕は、いつも、元気、で、いる、よ。」

「無理しなくてもいいんだよ...?」

「カボチャ。 君の、方が、華麗な、振る舞い、だよ。」

「え、その。」

「私は、私なのよ。 心配なのは、あなた。」

「だからほら、一緒に頑張ろうよ、ね!。」

「う、うん。 そう、だね。」



&「いいこと」&
「ねえ? カボチャ、ちょっと... お話があるの。」

「なん、だい。」

「私... ちょっと。 その。 ん。」

「やっぱりなんでもないや!」

「ダメ、だよ。 正直、に、言って、ね。」

「もう。 嫌だ。 私、ちょっと...」

「ちょっと... 少し... エッチな事がしたいの。」

「もう、なんなのよ! それは嘘だわ。」

「僕は、構わ、ない、よ。 僕で、いいの、なら。」

「嫌だ、そんなこと言わないで。 そう言うわけじゃないの。」

「私、セックスって分からないの。」

「気持ちいい事ってどう言う風にするの...?」

「教えて、あげる、よ。」

「...! いや。 触らないで...!」

「少し、ごめん、ね。 でも... これが、本番、だよ。」

「ん。 いやっ...!」

「あっ。 手を押えつけられて...」

「しーっ。 一つ、一つ、教えて、あげる、から、体で、受け止めて、ね、カボチャ。」

「......っ。」

「...!ダメ、そこは...」

「ん。 いや...」

「本当に嫌だ...、まるで... ボーイズラブみたい。」

「」

「あっ。」

「触らないで...」

「...んっ。 んっ。」

「...はあっ。 嫌だ。」

「っ。 っ。 っん。」

「気持ち、いい...?」

「......。」

「んっ。 あ。」

「っ。 疲れてきた...」

「...そっか。」

「...。」

「じゃあ、ここ、まで、だね、カボチャ。」

「私、気持ち良かった。」

「ありがとう。」

「...いいえ。」

Realms: Commute Stories.
青春と甘い恋。
通勤ストーリー。

&「ウグイス」&
歩く。

人集り。

通り過ぎる者。

「...ウグイス?」

反応なし。

「...」

「待って。」

止まる足。

「中央線?」

陰る後ろ。

恐る恐る、こっちを向いた。

その顔は、ウグイスそのものだった。

明るい電灯の目。

幅広の顔。

ウグイス、JR-E231系500番台、元山手線の顔。

****

「ああ、僕はウグイスだ。鉄の呪いにより、ここに立つ事ができている。よろしくな。」

線路の上に立つウグイスは、そのように自己紹介をした。

スタッフが見守る中、JRが主催して、技術を借りた上、鉄の呪いによる通勤電車の人間化は成功した。

その後、比較的早めに、ウグイスには女性が付き物になった。

ウグイスはとても、モテたのだ。

****

「...好き。」

「......ああ、その。 構わないけど。」

「...僕は、電車なんだ。 それでもよければ。」

「いいの。 私、電車が好きなの。」

「......。」

「よろしくな。」

「キスしよう。」

「えっ?」

「ウグイス。 こっち見て。」

「うん、ん。 っ。」

「っ...... っっ。」

****

「...っ。 ん。 痛く、ないかい...?」

「んっ。 痛くない... あっ、あ。」

「っっっ。 っ。 う。 ぁ。 っ。」

「っ。 っっ、い、ク... っ。 ん。」

「ぅ。 ......」

****

「ウグイス。 別れよう。」

「......。」

「それは、なぜだ?」

「やっぱり、私達は電車と人間なの。」

「...そうだよね。」

「......ごめんな。」

「いや、ウグイスのせいじゃないの。」

「ごめんね。」

「......。」

「...さようなら。」

****

その後、ウグイスには引退の時が来た。

厳密に、山手線からの車種交代引退で、中央線各駅停車への転用。

その際に、ウグイスは帯を張り替えて、機器を一部更新した。

もういつもの場所では会えないだろう、

そう思っていた。

****

「ウグイス。」

「いや、僕はキイロだよ。」

「冗談言わないで。」

「あなたは何色でも”ウグイス“なの。」

「...ああ。」

「久しぶりだな。」

「うん。」

「......僕に何かあるのか?」

「...少し、話があるの。」

「じゃあ、ちょっと休憩しよう?」

「それがいいわ。」



&「恋」&
「っっっ。 っ。 う。」

「ん。 あ。 あっ。 いや。」

「っ。 痛く、ないかい...?」

「痛くないの、ん。 んん。」

「我慢... しなくて、イイよ。 ぁ。」

「はっ。 っ。 っ、あ。」

「っっっ、気持ち、イイ...」

自分の顔を抑えようとしたウグイスの手を、払う手。

「ダメ、隠さないで。 あ。 あ。」

「っ。 ダメだよ。 っ。 っ、見え、ちゃう...」

「ぁ。 ぁ。 っ。 ダメ。 っっ。 は。」

「ウグイス、気持ち、いい。 あ。 ぁっ。 は。 っ。」

「ぁ。 っ。 い、ク... っ。」

「ぅ、......」

****

「なあ。」

「...何、ウグイス?」

「僕。 君の事を、裏切ってないかい?」

「え? そんな事ないよ、」

「あの時は... 私、何考えてたんだろう。」

「電車と人間でも、希望はあるわ。」

「......。」

「ウグイス。」

「なんだ?」

「...私は、好きだよ。」

「...ああ。」

「あなたの事が。」

「もう別れたくない。」

「ずっとそばに居てよ。」

「っ。」

顔が近い。

...キス。

熱い動き。

ウグイスは、彼女を抱き込んだ。

もう離さないよ。

僕の側に居て。

ずっと、守るから。

Test.
仮。

Test


Test.
Test.
Test.
Test.
Test.
Test.